近年、アメリカ(米国)への食品輸出が活発に行われており、日本企業の進出も進んでいます。サポートや補助金制度も整っていることから、今後も発展の可能性があります。 今回は、アメリカへの食品輸出を進めるべき理由とともに、食品輸出に際して押さえておきたいポイント、アメリカへ食品輸出する際のステップをご紹介します。 目次 アメリカへの食品輸出を進めるべき理由 アメリカへ食品輸出する際に押さえておきたいポイント アメリカへ食品輸出する際のステップ まとめ アメリカへの食品輸出を進めるべき理由 近年、中小企業もアメリカへの食品輸出を進めることが有効であると考えられます。その理由として、次の点が挙げられます。 ●アメリカへの食品輸出は着実に増加中 日本からアメリカへの食品輸出量は着実に増加の一途をたどっています。JETRO(日本貿易振興機構)の統計によれば、2024年の輸出額は前年の2,062億円から17.8%増加し、2,429億円となったといいます。こうした状況は、アメリカにおいて日本食品のニーズが年々高まっていることを示しています。 ●日本食の浸透と高品質・安心安全の価値により差別化しやすい 近年、アメリカにおいて日本食が浸透していますが、アメリカ人にとって日本食は高品質であり、衛生面についても安心・安全といった価値を感じています。例えば「無添加」の食品はヘルシー志向なアメリカ人にとって魅力的です。こうした理由から、アメリカ市場において日本食は輸出することで差別化しやすいといえるのです。 ●環境が整っている そもそも日本から海外へ食品を輸出すること自体、むずかしいイメージがありましたが、近年は様相が異なっており、JETROなどのサポートや公的な補助金制度が存在し、食品輸出のハードルが下がっています。また輸出代行会社に委託することで自社にノウハウや知見がなくとも容易に輸出が可能です。 このようにアメリカに食品を輸出したいと考える場合も、環境が整っていることから、トライしやすいといえます。 売れるOEM食品はパッケージから! 食品開発OEM.jp OEMパッケージ作成支援サービス 丸信では食品パッケージの作成支援サービスを行っています。パッケージ制作に関するお悩みをお気軽にご相談ください。 アメリカへ食品輸出する際に押さえておきたいポイント 食品輸出の際に押さえておくべきポイントをご紹介します。 ●FDA(米国食品医薬品局)への事前通知 食品をアメリカに輸出する際には、事前にFDA(米国食品医薬品局)へ通知しなければなりません。そしてFDA認証を受けた上で販売することが可能になります。 FDAは、食品および医薬品、化粧品などの販売や流通の許可や取り締まりなどを行っている機関です。アメリカで食品を販売するためには、認証を受ける必要があります。 FDA認証を受けることで、日本とアメリカの両方において食品衛生法などに違反しない、適正な商品である証明を得られます。 ●加工食品の輸入検査手続き 加工食品については、食品安全強化法やバイオテロ法の規制を受けるため、輸入検査手続きで細かな確認が行われます。加工食品に使用している原材料や割合、加工状態などによって適用される法規制が異なるため、注意が必要です。輸入検査では、輸入する加工食品の衛生基準や商品ラベル、添加物などがFDAの基準を満たすかどうかがチェックされます。 1.食品の衛生管理・安全性に関する規準 加工食品がかかわる食品の衛生管理・安全性に関する規準は、主に3つがあります。 ・適正製造規範(GMP) 食品の安全性を確保するための製造、包装、保管などの衛生基準です。 ・バイオテロ法 「公衆の健康安全保障ならびにバイオテロへの準備および対策法(通称バイオテロ法)」により、アメリカに輸入される食品を製造/加工、梱包、保管する施設を登録し、輸入時の事前通知や記録の保存などが義務付けられています。 ・食品安全強化法 食品輸入を行う事業者は、食品安全強化法に基づき、外国供給業者検証プログラムとして食品安全計画の策定と実施が義務付けられています。 2.その他の加工食品に関わる規則 アメリカに加工食品を輸入する際には、他にも重金属や汚染物質、残留農薬に関する規則、食品添加物に関する規則、食品包装材に関して留意する必要があります。 食品に含まれる重金属や汚染物質に関する規制では、有毒および有害な物質の許容量が定められています。また農薬に関しては連邦殺虫剤殺菌剤殺鼠剤法に登録済みで使用を認められた農薬以外のものは禁止されています。そして食品の残留農薬の許容量が設定されています。 食品添加物については、食品に直接、もしくは間接的に使用が可能な物質とその含有量が規定されています。食品包装材のうち、食品に接触するものについては食品添加物とみなされるため、規則が適用されます。 ●特定食材への規則 加工食品の中でも、食肉加工品、牛乳や卵等動物由来物質を含む加工食品、水産加工品、低酸性缶詰食品および酸性化食品の場合、それぞれ規制が存在するため、各規制の適用を受けます。 ●食品表示に関する規制 アメリカで食品を販売するには、決められた食品表示を行う必要があります。FDAは、食品の「基本表示事項」として英語で記載することを義務付けています。記載内容は大きく「主要表示パネル」と「情報パネル」の2種類に分かれています。正面中央部分に該当する「主要表示パネル」については、「食品名称/識別事項」と「内容量・正味重量」を記載し、裏面や側面の「情報パネル」については「原材料名」「栄養成分表示」「製造業者、包装業者、流通業者のいずれかの名称と住所」「警告および取扱上の注意」「原産国」を記載する必要があります。 アメリカへ食品輸出する際のステップ アメリカへ食品輸出する際のステップをご紹介します。 1.目的とターゲットの明確化 まずはアメリカへ食品を輸出する目的と、食品を販売するターゲットを明確にします。ここを曖昧にしてしまうと、商品企画から製造、販売まで一貫した取り組みがむずかしくなり、効果測定も行えないため、食品輸出自体の成果を出すことができません。また、ターゲットを具体的に絞り込むには、アメリカ市場のニーズ調査を行う必要があります。日本で売れているものでも、アメリカ市場では売れるとは言い切れません。まずは何よりもアメリカ市場をよく知ることが先決といえます。 2.商品の適合性の確認 「このような食品を輸出したい」と考えて設定したものの、規制があり輸出できなかったというケースもあります。そこで必要なのが、商品がアメリカ輸出に適しているかを事前に確認することです。 適合性のチェックは、先ほどご紹介したFDAなどの基準を満たしているかなどの規制のほか、アメリカにおける味覚の嗜好性、文化的な食習慣、宗教的な制限などあらゆることを加味した上で、新たに商品を企画・開発し、既存商品であれば選定を進めましょう。 3.体制構築・役割分担 輸出する食品が決まったら、早い段階で規制への対応や品質管理、現地での物流、マーケティングなどを担う体制を構築し、役割分担を行いましょう。 4.支援先やパートナーの選定 アメリカへの食品輸出が初めての場合は特に、自社だけで行うのは困難でしょう。支援を受ける専門家や輸出を効率化するパートナーを選定します。 5.手続き・申請 FDAへの事前登録や各種手続き、申請を進めます。 売れるOEM食品はパッケージから! 食品開発OEM.jp OEMパッケージ作成支援サービス 丸信では食品パッケージの作成支援サービスを行っています。パッケージ制作に関するお悩みをお気軽にご相談ください。 まとめ アメリカでは日本食品の需要が高まっていることから、輸出に取り組むことは有効な施策です。一方、細かな規制や食習慣への対応などを行う必要があります。最適な専門家やパートナーを見つけることで、失敗がないスムーズな輸出が可能になるでしょう。 丸信では、輸出仕様のパッケージの良きパートナーとして貴社にご協力することが可能です。 各国の表示ラベルの規制に対応できるよう、自社の専門スタッフと食品検査室により、高品質な検査をご提供しております。これまでの海外輸出向け商品の豊富な支援実績を踏まえ、パッケージメーカーとして、海外向けのパッケージ・包装資材のご提案も可能です。 輸出向け食品のパッケージでお悩みの方は、ぜひ丸信へお気軽にご相談ください。 >軟包装・フィルム包装 お客様の思いをカタチにするパッケージメーカー 丸信は包装資材事業を柱に、お客様の課題解決につながるさまざまなサービスやソリューションをワンストップでお応えする、トータルパッケージカンパニーです。OEM製造が決まったら、気になることは売り場での訴求方法です。丸信ではOEMマッチングのご支援だけでなく、パッケージ製造企業として、お客様の製品をより魅力的に見せるパッケージをご提案いたします。 コーポレートサイト 丸信のパッケージ製作サービス 「化粧箱を作りたい」「こんな紙箱を探している」ご要望をカタチにいたします! 「袋に貼るシールを作りたい。」商品にぴったりの、オリジナルラベルをご提案! 「食品を入れる袋を作りたい。」効果的なパッケージ方法をトータルサポート! 売れるOEM食品はパッケージから!食品開発OEM.jpOEMパッケージ作成支援サービス パッケージ制作でこんなお悩みはありませんか。 食品のこだわりポイントをオリジナルパッケージでアピールしたい 店頭で手に取ってもらいやすいパッケージにしたい 容器・包材・外箱など何を選べば良いか分からない 環境に配慮した資材を使用したい 丸信では、食品のパッケージ制作をデザイン企画から容器選定、商品撮影、ラベル印刷など幅広くご支援しております。パッケージ制作に関するお悩みは丸信にご相談ください。 詳細はこちら 関連情報 手動機を使用したカプセルやタブレットの充填受託を承っております。 <低カロリー・低糖質・グルテンフリー、お腹も満たして、3つの体に良い要素を持った食材です。>米状こんにゃく セイシン企業 スティック充填(粉末・顆粒)
関連記事 ロングライフ製法とは?仕組みやメリットを解説 ロングライフ製法を用いて食品開発を進めたい方に向け、ロングライフ製法の概要から仕組み、食品開発の際に採用するメリットと注意点、ロングライフ製法を用いた食品開発の事例をご紹介します。 中国へ食品輸出する際の市場調査から開発までのポイントを解説! 中国へ食品を輸出するメリットと中国で売れる日本食品のトレンド、中国への食品開発・輸出ステップ、成功させるポイントをご紹介します。 粉末スープをOEMで作る5つのポイント 粉末スープの市場トレンドと共に、OEM開発に必要なスープの種類と粉末スープの特徴、売れる粉末スープをOEMで作るポイント、粉末スープOEM開発の成功ステップを解説します。 ロングライフ食品とは?メリットやデメリット、開発のポイントを解説! ロングライフ食品の概要からメリットとデメリット、開発のポイントを解説します。 キムチをOEMで作る4つのポイントからトレンド、事例まで解説! キムチの市場トレンドからキムチ製品をOEM開発・販売する際の訴求ポイントや開発のポイント、注目すべき事例までご紹介します。ぜひご覧ください。 【食品トレンド・業界動向】価格安定×簡便性で注目される「カット野菜」 「カット野菜」は、消費者ニーズを満たし、価格変動が少なく効率的に調理が可能な人気のトレンド食品の一つです。カット野菜の市場動向から、カット野菜の特長とニーズ、OEM開発のポイント、パッケージの開発のポイントまで、カット野菜のOEM開発に役立つ情報をお届けします。