PB商品開発を進める前に知っておくべきこととは?成功事例に隠されたポイント
Date: 2021.03.08
Date: 2021.03.08
昨今、人気のPB商品。自ら開発し、消費者にアピールしたい、低価格を実現したいと考え、PB商品の開発を検討しているかもしれません。そこで、PB商品を成功させるために、開発を進める前に知っておくべきことをご紹介します。
PB商品とは、「Private Brand(プライベートブランド)」の商品のことです。
大手量販店や大手チェーンストアが展開していることが多く、セブン&アイグループの「セブンプレミアム」、イオングループの「トップバリュ」などがわかりやすい例です。
PB商品は、スーパーマーケットなどの小売業者や卸売業者が自ら企画・開発し、自社ブランドとして販売している商品です。特に日用品や食品、簡単な電化製品等で展開されることが多く、競合店との差別化を目的に、低価格・高品質をうたって売り場展開されています。
小売業者や卸売業者は、通常、各製造メーカーが作った商品を販売するビジネスモデルであるため、本来とは異なる事業です。そのため、製造ノウハウや工場などを持ち合わせていないケースも多く、商品を実際に製造するのはOEMメーカーということが多いです。
売り場やPOSシステムで集めた購買データ、レビュー、市場調査をもとに小売業者が商品企画を立て、受託生産を行うOEMメーカーに製造を依頼、輸送・販売は依頼主の小売業者が自社店舗で行う形態が通常みられるPB製品販売モデルです。
PB商品には、次のようなメリットがあります。
●小売価格を低く抑えられる
PB商品に対して、製造メーカーが製造するブランドをNB商品(ナショナルブランド商品)と呼びますが、PB商品は、一般的にNB商品と比べて安価に製造できることから、小売価格が低く抑えられます。
なぜなら、NB商品には広告費や運搬コスト、仲介業者への手数料などがかかりますが、PB商品はそれらが不要であるためです。また、PB商品は価格も自社で自由に設定できることから、他社製品との差別化を図ることができ、消費者から注目を集めやすく、利益が上がりやすくなります。
●顧客のニーズに合った商品を作り、販売できる
スーパーマーケットなどの小売店であれば、顧客は身近にいるため、消費者の生の声を生かして、かゆいところに手が届く商品を企画することができます。地域性のあるニーズや、それぞれの店舗の特有の顧客ニーズもあるでしょう。そうした顧客のニーズに合った商品を企画すれば、ヒットしやすくなります。
●ブランディングが可能
PB商品はオリジナル商品であるため、ブランディングを図っていくことができます。ストアブランドのイメージ向上につながるでしょう。
一方、PB商品にはデメリットもあります。
●売れなかった場合に自社がすべて責任を負う
小売店が自ら商品を企画・販売するということは、売れなかったときや、欠陥が見つかったときは、全責任をすべて負うことになります。これがNB商品との大きな違いです。
●在庫を抱えるリスクがある
売れ残ったときには、在庫を抱えることになり、多大な損失を生み出すこともあります。もともとPB商品はNB商品よりも価格を抑えて販売されることが多いため、個数が売れないといった事態になれば、損は大きくなります。
食品表示における基本ルールや表示する際の注意点など、食品表示における基礎をわかりやすく解説します。
上記で見てきたように、PB商品にはデメリットもあります。そこでデメリットを踏まえた上で、PB商品開発を成功させるために、知っておくべきことをご紹介します。
昨今は、人気のPB商品が多いですが、PB商品の企画・販売は、成功事例もあれば失敗事例もあります。PB商品は「ヒットしやすい」という良いイメージが強いため、万が一、失敗したときのことを想定しておくことで、損害を減らすことができるでしょう。
では、失敗事例の原因にはどんなことがあるのでしょうか。
ある有名ドラッグストアでは、PB商品を作っていましたが、かつてはほとんど売れていませんでした。その原因として、NB商品よりも目立たないロゴや、顧客とのコミュニケーション不足、PR不足などが挙げられています。また顧客の声をそれほど重視していなかったことも原因の1つだったのかもしれません。
また、あるコンビニエンスストアは、あるとき、PB商品の大幅なリニューアルを行いました。しかしリニューアル後に「パッケージがわかりにくく、何の商品か分からない」と顧客からの声が挙がり、失敗に終わりました。
こうした失敗事例の中には、共通している要因がいくつかあると考えられます。それと同時に、成功事例には成功の秘訣があると考えられます。
ヒットするPB商品にはどんな秘訣が隠されているのでしょうか。その成功のポイント確認しておきましょう。
●自らが主体的にメーカーと企画する
大前提となることですが、製造メーカーにまかせきりではなく、自社が主体的に企画・開発に関わり、製造メーカーと共に作るという姿勢が重要です。そうすることで、オリジナルの意図した製品を作ることができます。
●ブランド戦略をしっかり立てる
成功しているPB商品には必ずブランド戦略がしっかりとあるものです。どうすれば売り上げが上がるのか、顧客が買ってくれるのか、競合他社に勝つことができるのか、という戦略を筋道立ててしっかりと構築し、その筋道通りに企画・製造・マーケティング・販売を行っていくことで、確かに結果を出すことができます。
●顧客のニーズをつかむ
顧客のニーズをつかむことも非常に重要なことです。PB商品のメリットでもご紹介しましたが、顧客に1番近いところで販売できる小売業などだからこそ、PB商品がヒットする可能性があるのです。そのためには日ごろから顧客の声をこまめに集め、それをPB商品に反映させるという流れを作っておくことが重要といえます。
●製品内容・特性が伝わるパッケージを企画する
PB商品成功のポイントはパッケージにもあります。製品内容や特性が伝わることはもちろん重要ですが、店頭に並んだ時に目を引くデザイン性や環境に配慮した包材を利用するなどパッケージを工夫することで、他社との差別化を実現することが可能となります。
丸信では、パッケージの企画から製造までをワンストップでご支援しています。
PB商品の開発でパッケージに関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ以下よりサービス内容をご確認ください。
PB商品の開発を進める前に、知っておきたいことをご紹介してきました。今回取り上げたメリットとデメリット、PB商品開発を成功させるポイントを踏まえて、実施するのをおすすめします。
食品表示における基本ルールや表示する際の注意点など、食品表示における基礎をわかりやすく解説します。
丸信は包装資材事業を柱に、お客様の課題解決につながるさまざまなサービスやソリューションをワンストップでお応えする、トータルパッケージカンパニーです。
OEM製造が決まったら、気になることは売り場での訴求方法です。丸信ではOEMマッチングのご支援だけでなく、パッケージ製造企業として、お客様の製品をより魅力的に見せるパッケージをご提案いたします。
食品開発に役立つ各種資料を無料でご提供しています。
是非この機会にご覧ください。
近年、食品に対してもスペパの高さを求める消費者が増えてきており、本記事では、スぺパ×食品のトレンドの背景から商品例、スぺパ商品を開発するポイントまで解説します。
本コラムでは、売れているドレッシングパッケージの特徴や、デザインの参考になる事例を紹介し、さらに売れるパッケージをデザインするための4つのポイントについて詳しく解説します。
ケーキをOEM開発・生産する際の3つのポイント、ケーキOEM委託先を選ぶ際に押さえておきたいポイントまで解説します。
今回は2024年の食品トレンドや業界動向の一つとしてウェルビーイング食に迫ります。
今回はヨーグルト市場の動向からヨーグルトのOEM開発のポイント、ヨーグルトの製造事例をご紹介します。
今回は健康食品のパッケージの役割と種類、売れている健康食品のパッケージの特徴と選ばれるポイント、参考になる健康食品のパッケージ例をご紹介します。