PL保険とは?-OEM製造・販売企業必見-
Date: 2022.06.01
Date: 2022.06.01
食品を開発製造、販売に携わる事業者は、製造責任に関わる「PL保険」という保険の存在をぜひ熟知しておくのをおすすめします。食品をOEM委託にて製造して販売する企業は、製造責任は関係がないと思われがちですが、実は加入しておくべき保険なのです。
そこで今回は、PL保険の概要や補償対象となるケース、OEM委託で製造して販売する事業者も加入しておいたほうが良い理由をご紹介します。
PL保険とは、主に事業者向けの保険の一つで、「生産物賠償責任保険」を指します。「PL」とは英語の「Product Liability」の頭文字をとったもので、直訳すると「製造物責任」となります。
この保険は、製造業者などが、製造または販売した製品などが原因で、他人にケガをさせたり、食中毒に陥らせたりした場合などに、製造業者が法律上の損害賠償責任を負担することになった際の損害を補償するものです。
●補償対象
保険金が支払われる補償対象は「損害賠償金」や「争訟費用(裁判・弁護士費用等)」などです。注意したいのは、製品自体の損害や、製品の回収・修理・交換等の費用については、支払いの対象外であるということです。
●製造物責任を負う対象
製造物責任を負う対象となるのは、製造物を製造、加工または輸入した者です。また製造物にその氏名等の表示をした者などの「表示製造業者」も製造物責任を負う対象となります。
一方で、販売業者は製造物責任を負う対象ではありません。ただし、販売業者であっても、輸入業者や表示製造業者当たる場合は、製造物責任を負う対象となります。
※2022年5月時点での参照元をもとにした情報となります。また詳細に関しては、必ず消費者庁の公式サイトを確認するか、問い合わせるなどして、正確な情報を入手してください。
参照元:消費者庁「製造物責任法の概要Q&A」
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/other/pl_qa.html
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PL保険は、製造業や飲食業、請負業、工事業、卸売業に加入者が多いといわれています。特に、食品製造を行う事業者は欠かせない保険といえます。
PL保険に加入した場合に、具体的にどのようなケースで、PL保険の補償対象となるのかをみていきましょう。
●PL保険の補償対象となるケースの例
・製造した食品を食べた人が食中毒になった。
・提供した料理を食べた人が食中毒になった。
・製造した電子レンジが火災の原因となった。
・施工不良により取り付けた看板が落下して通行人にケガをさせた。
このように、事業者が自ら製造した食品や製品によって食中毒や火災、ケガなどの損害をもたらした場合に、補償の対象になるといわれています。ただし、ここではあくまで例であるため、ケースバイケースで補償の対象となるかどうかが変わってきます。
いずれにしても、これらのケースは、製造業であれば起き得るリスクは常にあります。
PL保険は、食品製造メーカーに欠かせないとお伝えしましたが、食品を開発し、製造自体はOEMメーカーに委託して行っている場合には、PL保険は関係がないと思う事業者もいるかもしれません。しかし、OEMの委託元事業者も、PL保険に加入したほうが良いといわれています。どうしてなのでしょうか?
その理由は、万が一、食品事故が起こった場合は、製造に関わっていなくとも、製品を販売する「表示製造業者」に該当することから、OEM製造メーカーと共に製造物責任が問われるためです。
しかも、事故が起きた場合、先に表に出るのはたいていの場合、販売会社の名前です。PL保険で損害賠償などをまかなうことができれば、その他にかかる製品の回収費用や新聞などへの告知費用などの負担を軽減することができると考えられます。
まずはOEM契約時に、委託先のOEM製造メーカーがPL保険に加入しているか確認することが重要です。もしOEM製造メーカー側の補償限度額が低い場合は、OEM委託元である自社も加入する必要があります。
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製造業に欠かせないPL保険についての概要をご紹介してきました。食品OEM開発・販売を行う事業者にとっても、重要な備えです。まずはOEM製造メーカーに対して、PL保険への加入をしているかどうかの確認を行いましょう。また補償限度額が十分ではない場合に備えて、自社での加入をしておくのをおすすめします。
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