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国内製造CBD製品は成分分析が必須!大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法はどう変わる?

その他

Date: 2025.01.07

2024年12月に大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法の一部が改正され、大麻草由来のTHC(テトラヒドロカンナビノール)に残留限度値が設定され、限度を超えた場合は麻薬として規制されることになりました。本コラムでは、CBD(カンナビジオール)の概要、法律改正のポイント、必須になる国内製造CBD製品に関する成分分析の注意点を解説します。

CBD(カンナビジオール)とは?

CBD(カンナビジオール)は大麻草に数多く含まれる化合物カンナビノイドの1つです。ここではCBDについて、解説します。

大麻草の一成分

CBDは大麻草に数多く含まれる独特な化合物カンナビノイドの一つです。同じカンナビノイドにTHC(テトラヒドロカンナビノール)がありますが、大麻草の「怖い薬物」のイメージは、このTHCの持つ作用が原因のようです。
CBDとTHCはよく似た化学構造式をしていますが、生体への影響はまったく異なります。CBDが抗けいれんや鎮痛といった医学的な作用を示すのに対し、THCは精神依存や身体依存を作ることが示されています。THC濃度が0.3%未満の産業用大麻と呼ばれるアサに含まれるCBDは、1~15%ほどです。

【大麻草に含まれるCBDとTHCの比較】

CBD THC
大麻草からの抽出部位 種子、成熟した茎(樹脂除く) 花穂、葉・未成熟な茎、樹脂、根
主な生体への作用 抗けいれん、鎮痛 高揚感、脱抑制、幻覚作用など
身体依存性 なし あり

大麻草からの抽出部も違っているので、CBDは以前から規制対象ではありませんでした。

参照:神奈川県臨床研究所|大麻の基本的な知識と大麻由来製品の注意点について
参照:日本臨床カンナビノイド学会|内因性カンナビノイド系

抗てんかん作用や鎮痛作用、少ない副作用

CBDは、炎症作用を持つサイトカインの産生を抑制して抗炎症作用を示します。また外傷や感染による炎症、熱や機械刺激などの刺激による痛みだけでなく、神経因性疼痛や心因性疼痛にも効果があると言われています。精神状態によいものとして知られているのは、抗不安作用です。

海外では難治性てんかん治療薬として、CBD含有医薬品エピディオレックスが使われていますが、日本でも臨床試験が2022年4月より開始されています。現行の法律では大麻研究者の医師の下で厚生労働大臣の許可を受け輸入した医薬品を、治験対象者であるてんかん患者に使うことは問題ないという判断からです。
CBDの使用時によく起こる副作用は下痢です。子どもでは肝機能障害や肺炎のリスクが増加しますが、成人では重篤な副作用は少ないと言えます。

参照:J-stage|カンナビジオールの治療効果とその作用機序
参照:厚生労働科学研究成果データベース|難治性てんかんにおけるカンナビノイド(大麻抽出成分)由来医薬品の治験に向けた課題把握および今後の方策に向けた研究
参照:Neoropsychopharmacology| effects of cannabidiol: a systematic review and meta-analysis of randomized clinical trials

サプリメントとして使用

現時点で日本では、CBD製品はサプリメント(健康食品)として使用されています。サプリメントとしての使用については否定派と肯定派がいますが、否定派の代表格は米国食品医薬品局(FDA)です。FDAはサプリメントについての現行規制がCBD製品に適していない、適切な安全基準を満たす根拠がないことを理由とし、販売も認めていません。
2020年に摂取上限を70mg/日とした英国食品基準庁(FSA)は、2023年10月に新たな予防勧告を発表しました。それによれば「健康成人の食品からのCBD摂取は1日10mg(5% CBDオイル約4~5滴)まで」としています。FSAはCBDについて子どもや薬を服用している人、妊娠中または授乳中の人などへ摂取しないようアドバイスしています。

参照:国立衛生研究所|食品安全情報(化学物質)No. 4/ 2023(2023. 02. 15)
参照:Food Standards Agency and Food Standards Scotland update consumer advice for CBD

2024年12月施行改正大麻取締法とは?改正のポイント3つ

今回の改正は、第二次世界大戦直後に策定された法律が、研究の進歩や規制の現状に沿わなくなってきたことが理由です。大麻取締法は「大麻草の栽培の規制に関する法律」と名称も改正されますが、施行は2025年6月1日です。

大麻草由来成分を含有する医薬品が使用可能

今まで大麻ならびに大麻製品は大麻取締法で規制されており、医薬品として使うことは認められていませんでした。今後、THCや大麻は「麻薬及び向精神薬取締法(以下、麻向法)」の規制対象になり、治療に使うときには、麻薬施用者(医師)による麻薬処方箋が必要な医療用麻薬として取り扱われます。
同じく植物原料由来の医療用麻薬としては、ケシから抽出されたモルヒネがあります。

参照:大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律 新旧対照条文

不正施用(使用)が禁止され、罰則(施用罪)適用

今の法律が制定されたのは、第二次世界大戦終了後間もない頃でした。麻向法や覚醒剤取締法は制定当初から所持のみでなく使用に対する罰則があったのに、大麻になかったのは、大麻草栽培農家が作業中に起こす「麻酔い」を考慮したためと言われています。近年、大麻草栽培農家に作業後の尿検査を実施したところ、大麻成分代謝物は検出されず、いわゆる「麻酔い」も確認されませんでした。
制定時に配慮した理由は現状にはない、むしろ罰則規定のないことが「大麻を使用してもよい」という意味に受け止められかねない状況を考え、施用罪適用となりました。

参照:厚生労働省「大麻等の薬物対策のあり方検討会とりまとめ」

大麻の定義変更:部位規制から成分規制

制定時には大麻草の個々の成分や、有害作用の原因は判明していなかったために、部位規制となりましたが、近年では規制部位かを判断するために、有害成分THCを検出する実態でした。化学合成によるTHCは大麻取締法の規制対象ではなく、麻向法で麻薬として規制されています。
THCに着目して取り締まっている実態、規制すべきなのは有害な精神作用を持つTHCであることから、大麻草由来成分THCに着目した規制に見直されることになりました。
今回の改正ではTHCの残留限度値が設定され、限度を超えるのものが「麻薬」として、規制されることになります。
設定されたTHC残留限度値は、以下のとおりです。

【THC残留限度値】

製品区分 THC残留限度値 想定される製品例
油脂(常温で液体のもの)、粉末 10ppm、10mg/kg、0.001% 植物油:CBDオイル、ヘンプシードオイル、化粧オイルなど
粉末類:CBDパウダー、プロテインなど
水溶液 0.1ppm、0.1mg/kg、0.00001% アルコール水溶液を含む水溶液:清涼飲料水、アルコール飲料、化粧水など
コロイド溶液:牛乳、植物性の飲料など
その他 1ppm、1mg/kg、0.0001% 固形物全般:菓子類、錠剤、バターなど
粘性が高いもの:シャンプー、リンス、乳液、クリーム、マヨネーズ、バーム、ドレッシングなど
ゲル状:ゼリーなど

全ての製品は、常温(15~25℃)における状態の区分で判断します。たとえばシャーベットのように、凍結された状態で販売されていても、常温で液体となるものは、液体となった状態で判断されます。

参照:厚生労働省|令和6年12月12日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます
参照:厚生労働省|麻薬、麻薬原料植物、向精神薬、麻薬向精神薬原料等を指定する政令第2条の解釈と具体例

必須になる国内製造CBD製品に関する成分分析の注意点

2024年12月12日以降、THCの含有量が残留限度値を超えて検出された製品は、「麻薬」として規制されます。麻薬でないことを確認するためには、以下の事項に注意した「成分分析書」を作成しておく必要があります。

  • 成分分析書は1製品ごとに必要。バッチやロットが異なれば同じ製品であっても別製品として扱う。
  • 厚生労働省が通知した試験法以外の方法で分析した場合には、その方法が「通知した試験法と同等以上であること」を証明する書面(証明書)が必要。
  • 定量限界値(LOQ:Limit of Quantification)および検出限界値(LOD:Limit of Ditection)の両方の値を記載する。
  • 分析日または成分分析書作成日、分析した施設の責任者の署名もしくは肩書き(役職名)を明記する。

厚生労働省が通知した試験方法とは、LC-MS/MS(液体クロマトグラフィータンデム質量分析装置)とLC-QTOF-MS(液体クロマトグラフ 四重極飛行時間型質量分析装置)のことです。
CBD関連製品を輸入する場合には、麻薬管理部が通関前に確認(麻薬非該当確認)を行いますが、必要な法定事項ではありません。

参照:厚生労働省地方厚生局麻薬取締部「CBDオイル等のCBD関連製品の輸入について About importing CBD-related products」

まとめ

本コラムでは、CBDの概要、法律改正のポイント、必須になる国内製造CBD製品に関する成分分析の注意点を解説してきました。
2024年12月に大麻取締法・麻薬及び向精神薬取締法の一部が改正され、大麻草由来のTHCに残留限度値が設定され、超えると麻薬として規制されることになりました。麻薬でないことを確認するためには、国内製造製品についても成分分析書が必要です。

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<CBD関連商品のOEM製造会社様へ>
令和6年12月12日に「大麻取締法及び麻薬及び向精神薬取締法の一部を改正する法律」の一部が施行されます。
製品等に残留するΔ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)について残留限度値が設けられ、
この値を超える量のΔ9-THCを含有する製品等は「麻薬」に該当することになります。
(Δ9-THCの含有量が限度値以下の製品は、麻薬規制の対象になりません。)
弊社としては、基準値内の製造を行っていただくべく、
必ずΔ9-THC(テトラヒドロカンナビノール)の検査を行っている企業様のみの掲載とさせていただきたく思います。
現在、今後、検査を実施している内容の試験書の提出等、依頼をさせていただきますので、ご協力の程お願いいたします。
掲載に関しては、お客様への安全も喫して、試験成績書の掲載もお願いしますので、何卒ご理解の程よろしくお願いいたします。

著者プロフィール

藤野紗衣
大学卒業後、ドラック・精神科病院に各1年間勤務後、一般病院薬局で10年間、同じ病院事務室で19年勤務、安全衛生委員会事務局担当を務める。病院勤務後半は学術活動も行い、副作用報告データベース解析などの研究活動も行う。現在は薬剤師ライターとして、医療記事などの執筆活動を行っている。




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