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2025年食品トレンド・業界動向④ 冷凍食品

冷凍食品

Date: 2025.03.03

冷凍食品市場は、食品市場の中でも大きく拡大しており、消費者ニーズの高まりが加速しています。これから冷凍食品をOEMで開発し、参入しようとしている方も多いのではないでしょうか。

今回は2025年の冷凍食品のトレンドや業界動向をご紹介します。
特に冷凍食品が飲食店の人手不足を解消させる可能性がある理由や、それを踏まえた冷凍食品の開発のポイントは必見です。

冷凍食品の最新トレンドと市場状況

冷凍食品の最新トレンドと市場状況を解説します。

●冷凍食品市場は拡大中
近年、各種業界団体の冷凍食品市場の統計データの傾向から、冷凍食品市場は拡大の一途を辿っていることがわかります。

また総務省「家計調査」の二人以上の世帯の年間支出金額のうち、「冷凍加工食品」は2020年の8,787円から2024年までの11,032円まで、増加しました。コロナ禍の巣ごもり消費の影響も残っていると考えられ、近年、消費者ニーズが高まっています。

出典: 総務省「家計調査」

●冷凍食品の最新トレンド

・タイパの良いワンプレート冷凍食品
一つのお皿に、ご飯やパスタなどの主食と野菜や肉を使った主菜を一緒にしたワンプレートタイプの冷凍食品の需要が高まっています。プレートごと電子レンジで解凍し、取り分ける必要もないため、タイムパフォーマンスを求めるユーザーに人気です。

・物流2024年問題
冷凍食品の製造メーカーをとりまく物流関連のトレンドとして、物流2024年問題への対応策が挙げられます。

物流2024年問題とは、トラックドライバーの時間外労働の上限規制をもとに、モノが運べなくなる恐れがあることで生じる諸問題を指します。業務効率化やコスト削減が重要視される中で、冷凍食品メーカー大手5社が共同物流を開始したほか、冷凍食品のサイズを見直したり、パレット化を進めてトラック一台あたりの積載効率をアップしたりする施策が行われています。

・飲食店向けの供給
人手不足が深刻化する飲食店においては、調理済みの冷凍食品の活用が進んでいます。このことから一般消費者向けだけでなく、飲食店向けの供給についても注目を集めています。

冷凍食品が飲食店の人手不足を解消させる可能性がある理由

前述の通り、冷凍食品は飲食店向けの供給も進んでおり、それが人手不足解消につながる可能性があります。

なぜ人手不足の解消につながるのでしょうか。その主な理由として、次のことが考えられます。

●オペレーションの簡便性
あらかじめ調理された料理を冷凍技術で冷凍したものを利用することで、店舗では解凍するだけで提供できます。このことから、店舗はスタッフの人数を減らしても、オペレーションが可能になります。

●技術や専門知識が不要
冷凍食品は解凍するだけで提供できるため、料理そのものの失敗を防ぐことができます。また必ずしも高度な調理技術を持ったスタッフを配置する必要がなくなることから、人的コストの削減にもつながるでしょう。

●その他のメリット
飲食店にとって、冷凍食品を利用することで次のようなメリットも得られます。

・食品ロスを削減できる
必要な分だけ解凍して提供することで、従来の作り置きしておいた料理を提供するケースと比べて、廃棄ロスが削減できることから、食品ロスの削減に寄与するでしょう。

・安全性を高められる
冷凍食品は、凍ったまま保存するため、雑菌の繁殖を防ぐことができます。その意味で衛生面での安全性を高められます。

・栄養価を高められる
特に野菜や果物の冷凍食品は、旬のものを冷凍することで、一定期間であれば、ある程度栄養を保持したまま保存することができます。健康志向のメニューが増えている中、栄養価を高められる点においては優位性があります。

食品の最新トレンドを踏まえた冷凍食品開発のポイント

これまでご紹介した冷凍食品の最新トレンドを踏まえ、冷凍食品開発のポイントをご紹介します。

●ターゲット・コンセプトの策定を重視する
冷凍食品に限らず、食品の開発においては、まずターゲットやコンセプトを明確にした上で進めていくことが重要です。
先述の通り、冷凍食品は一般消費者だけでなく飲食店向けニーズも重視されています。このことも押さえておきたいものです。

●試作による繰り返しの検証
冷凍食品は、ただ料理を作って冷凍すれば終わりではなく、冷凍した状態から解凍・調理し、どのような状態になるのかの検証が重要です。それによって使うパッケージも変わってくるため、繰り返して検証していくことが求められます。

●店の味を家でも簡単に楽しめる工夫を
冷凍食品は、調理の手間を省く簡便性だけでなく、家庭では作れない味という価値を提供することもできます。例えば有名な飲食店やシェフの監修により、付加価値を高めることで差別化することも検討の余地があります。

●消費者アンケートの実施
開発販売後、定期的に消費者アンケートを行い、その結果をもとに商品を見直し、商品の価値を向上していきましょう。消費者の実際の感想を取り入れながら改良することで、より優れた商品に近づくでしょう。

まとめ

冷凍食品市場は、近年拡大を続けており、今後も可能性のある市場といえます。商品を開発する際には、最新トレンドを踏まえながら、飲食店向けも考慮して時代に合った開発を進めましょう。

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