食品包装フィルムの種類を解説!最新トレンドもご紹介
Date: 2024.02.01
Date: 2024.02.01
食品包装を考える際には、食品包装フィルムの特性を考えて食品に合ったものを検討する必要があります。そのような中でも、食品包装フィルムは、種類が豊富にあることから、その特性をある程度、押さえておくことが大切です。
今回は、食品包装フィルムの概要から種類、最新トレンド、事例をご紹介します。
食品包装フィルムの役割や多く使われている食品フィルムの種類をご紹介します。
●食品包装フィルムとは?
食品包装フィルムとは、食品包装に利用するフィルム全般を指します。商品の保護や利便性向上、情報伝達といったさまざまな役割があります。食品包装フィルムと一口に言ってもさまざまな種類があることから、内容物に最適な種類を選ぶ必要があります。
●食品包装フィルムの主な種類
主に使われる食品包装フィルムの種類をご紹介します。
・ONy(二軸延伸ナイロン)
汎用的に使われるナイロン製のポリ袋によく使われます。耐衝撃性や耐熱性、耐寒性、強度に優れています。また真空や液体の食品包装に使われていることが多くあります。
・OPP(二軸延伸ポリプロピレン)
野菜や果物などの簡易包装によく使われます。耐熱性、防湿性、強度に優れ、透明度が高いのが特徴です。
・CPP(無延伸ポリプロピレン)
OPPやPETなどのフィルムと貼り合わせたラミネート袋で、麺やパン袋などによく使われています。防湿性や耐熱性、耐摩耗性などに優れています。
・KOP(ポリ塩化ビニリデンコートOPP)
OPPの片面または両面にポリ塩化ビニリデン(PVDC)をコーティングしたものです。他フィルムとの組み合わせによって脱酸素剤封入包装や防湿包装などに利用されています。
・LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)
ONyなどの他フィルムと貼り合わせてラミネートフィルムによく使われています。高い強度を持ち、熱でフィルム・シートの樹脂層を融着できる性質であるヒートシール性や耐衝撃性に優れています。
・PET(二軸延伸ポリエステル)
PETフィルムは寸法安定性、耐薬品性、光学特性などに優れていることから、食品包装用 のフィルム、容器(ボトル)、工業用材料など 幅広く使用されています。
・AL(アルミ箔)
アルミホイルの素材で知られるアルミ箔で、遮光性や保香性、耐熱性に優れており、バリア性の高い材質です。レトルト袋、プラスチックフィルムにアルミを吹きつけてアルミ蒸着フィルムとして利用します。
LDPEやPET、CPPなど他のフィルムと貼り合わせたラミネート袋に多く使われています。
・EVA(エチレン―酢酸ビニル共重合体)
OPPやKOPとの貼り合わせたラミネート構成により、一般乾燥食品の包装がよく行われます。また低温下でも強度が落ちない特性などから、食品包装フィルムのヒートシール層や、ガスバリア性の高い素材との組み合わせにより、ハムやソーセージの包装フィルムの中間層やシール層に使われています。
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近年、注目されている食品包装フィルムの最新トレンドとして、2つのトピックスをご紹介します。
●電子レンジで加熱できるレンジアップフィルム
完全密封のままで加熱調理できる、電子レンジ加熱調理用パウチであるレンジアップフィルムが近年、よく使われるようになりました。
密封包装で衛生的であり、自動通蒸機能を有することから、蒸気を安全に排出するのが特徴です。
袋を開けずにそのまま電子レンジに掛けるだけで、安全に通蒸します。蒸気口が蒸気圧をコントロールすることで、蒸らし効果が得られ、調理時間も短縮できます。
漏れ出しにくいパウチ構造も大きな特徴です。レンジ加熱時も蒸気口をパウチ上面に設置。 液面より上にて漏れにくいのが特徴です。レンジ取り出し時は誤って蒸気口を下向きしても、 蒸気口から漏れにくくなっています。
●水性フレキソ印刷
水性フレキソ印刷とは、従来からよく食品包装にも使われる凹版の油性グラビア印刷と比べインキの使用量が少なく、揮発性有機化合物 (VOC)の排出が少ないという特徴があります。残留溶剤の問題もなく、安心安全かつ環境や人に優しい印刷を実現します。
日本の印刷業界の中では、シェア5%と主流ではないものの、 欧米諸国では積極的に採用されています。ヨーロッパのフレキソ市場は毎年 4〜8%前後の成長を続けており、将来的に水性インキが主流となると予測しています。
省エネルギーでCO2排出量が少ない環境に配慮できる印刷方式でもあります。
環境配慮が求められる企業経営において有用であることから、今後はさらに注目を集めることでしょう。
食品包装フィルムを工夫して成功した事例を3つご紹介します。
●食品包装フィルム変更による賞味期限の延長
常温流通のいちごのドライフルーツ商品の包装の見直しを行った事例です。内容物に合ったフィルムの選定と品質保持剤を使用することで賞味期限の延長を実現しました。
現行品はOPP50を利用していたところ、バリアOP20・CPP30に変更し、脱酸素剤を使用しました。
●食品包装フィルムの見直しによりコストダウン
キノコ水煮の商品の包装の見直しを行った事例です。スペックを細分化して適切なフィルムを選定したことでコストダウンを実現しました。
現行品は、PET12・NY15・耐熱LL60の構成であったところ、殺菌温度や重量などから複数スペックについて検討しました。
PBT15・耐熱LL60(レトルト殺菌 軽量)
PBT15・LLDPE60(ボイル殺菌 軽量)
PBT25・耐熱LL60 (レトルト殺菌 重量)
PBT25・LLDPE60(ボイル殺菌 重量)
●食品包装資材の質量を削減しSDGs貢献
スイーツのタルト商品の包装リニューアルに際して、透明フィルムにバリア性の高い素材を採用した事例です。賞味期限の延長と質量削減を実現し、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに貢献しました。
具体的には、フィルム変更により、1~2週間程度賞味期限を伸長できたことが挙げられます。さらに従来は、販売可能日数を超過した商品を破棄していたところ、賞味期限伸長によって廃棄が少なくなり、食品ロス削減につながりました。
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食品包装フィルムの種類や最新トレンド、事例をご紹介しました。今回の内容をヒントに、ぜひ最適なものを選定ください。
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