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6次産業とは?農産物加工で農業と産業をつなぐ

農産品

Date: 2022.03.01

近年、「6次産業」が推奨されており、1次産業を担う農林漁業者の発展が期待されています。農産物や畜産物、水産物を加工することで、産業をつなぐことが可能になります。
そこで今回は、6次産業とは何か、また6次産業に取り組む際に知っておきたい遵守すべき食品表示や食品衛生管理についての概要をご紹介します。

6次産業とは?

6次産業とは、1次産業を担う農林漁業者が、生産した農産物や畜産物、水産物について、2次産業の食品加工、3次産業の流通・販売にも取り組むことを指します。「1次産業の1」×「2次産業の2」×「3次産業の3」のように、かけ算を行うと「6」になることから、「6次産業」と呼びます。

目的は、農産物などの生産物の価値を上げることで、農林漁業者の所得を向上していくことにあります。また、複数の産業が総合的・一体的に推進を図ることで、農山漁村の豊かな地域資源を活用した新たな付加価値を生み出すことも想定されています。

具体的には、農産物などを加工して商品化し、店舗やインターネットで販売するといったことが考えられます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景に、生産者や販売者に多かれ少なかれダメージがある中で、6次産業化はますます推進されていくものと考えられます。

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6次産業で農産物等を加工・生産する際に遵守すべき食品表示に関する法規

農産物を加工して販売するなど、生産者が6次産業に取り組む際に、まず押さえておきたいことがあります。食品を流通させるということは、購入する消費者に対して、大きな責任を持つことになる点です。食品表示や食品衛生面に関する取り決めを遵守することで、安心・安全に生産物を消費者に届けることが可能になります。

ここでは、6次産業で生産する際に遵守すべき食品表示に関する法規とは何か、どのようなものがあるか解説します。

●食品表示とは
食品表示とは、消費者が食品を選ぶときに必要不可欠で重要な情報であり、表示が不適切な場合は罰則や行政処分が下されるものです。分かりやすい例で言えば、賞味期限やアレルギーの有無などの記載がなければ、有害となるものを口に入れてしまうことになってしまいます。人の命に関わることもあるため、食品表示は遵守する必要があります。

●食品表示に係る法令
食品表示の方法やどの種類の食品に対して表示が義務付けられているのかは、次の食品表示に関する法令を確認しましょう。それぞれ、表示対象食品が決まっています。該当する食品を取り扱う場合は、その法に則って適切な表示を行います。

・「食品表示法」
対象:すべての飲食物
主旨:食品を摂取する際の安全性、一般消費者の自主的かつ合理的な食品選択の機会の確保

・「不当景品類及び不当表示防止法」
対象:事業者の供給するすべての商品(食品)
主旨:虚偽、誇大な表示の禁止

・「計量法」
対象:第13条に規定する特定商品(容器包装されたもの)
主旨:内容量等の表示

・「食品衛生法」
対象:食品、添加物、器具または容器包装
主旨:公衆衛生に危害を及ぼす虚偽誇大表示及び広告の禁止

・「健康増進法」
対象:特別用途食品、食品として販売に供する物
主旨:乳児、幼児、妊産婦、病者等の発育、健康の保持・回復等、健康保持増進効果
等について虚偽誇大広告等の禁止

・「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」
対象:包装容器に入れられた加工食品及びその広告
主旨:食品に対する医薬品的な効能効果の表示を禁止

・「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律(米トレーサビリティ法)」
対象:消費者が購入等に際して、産地を識別することが重要と認められる米及び米加工品
主旨:食品としての安全性を欠くものの流通を防止するとともに、表示の適正化を図り、産地情報の提供を促進

このうち、まず確認しておきたいのはすべての食品が対象となる食品表示法です。「名称、原材料名、添加物、原料原産地名、内容量、固形量、内容総量、消費期限(賞味期限)、保存方法、原産国名、製造者」について、法の様式に従って記載します。また、表示が義務となっている栄養成分の量や熱量についても、定められている様式に従い表示します。

法律が変わることもあるため、もし調べてもわからないことがあった場合は、管轄の保健所などに相談しましょう。

6次産業製品販売責任者にとっての食品衛生管理関連法規に関する注意点

6次産業に取り組む際に、食品衛生についても欠かせない重要事項の一つです。とくに6次産業製品の販売責任者にとっては、食品衛生管理関連法規を押さえておく必要があります。

食品衛生管理に関する法規とは主に「食品衛生法」のことを指します。食品を製造または加工する過程において、衛生管理をすることが義務付けられており、法律で食品衛生管理について定められています。食品衛生法は、食品汚染や食中毒などを防止し、食品の安全性を確保するために定められた法律です。小売店や飲食店、食品に関わる事業者等、食品業界の事業者すべてが対象です。

●食品衛生法に関する注意点

6次産業の加工・製造・販売に取り組む際に、食品衛生法について知っておきたいことを3つピックアップしてご紹介します。

・食品衛生責任者の資格取得
食品衛生法では、営業許可施設ごとに食品衛生責任者を配置することが義務付けられています。食品加工する場合に、加工場の責任者に食品衛生責任者資格の取得が必要になるということです。食品衛生責任者の資格は、食品衛生責任者養成講習会を受講すると取得できます。

・HACCPへの対応
食品衛生法は2018年6月に改正法が可決され、2020年6月1日からHACCP(ハサップ)導入の義務化が始まりました。HACCPとは米国発の衛生管理手法の一種であり。義務化は食品関連の全事業者が対象となります。
農林水産省では、食品関連事業者のHACCPへの取り組みを支援しているため、自社が6次産業に取り組む際に、どのような対応が必要になるのかを確認しましょう。

・食品衛生法に基づく営業許可の取得
食品の加工・販売に際しては、食品衛生法や県条例に基づき、保健所の営業許可の取得が必要になることがあります。食品に応じて変わってきますので、管轄の保健所に確認しましょう。

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まとめ

6次産業に取り組む際に知っておきたいことをご紹介してきました。今回ご紹介したことは概要となり、加工、製造、販売など取り組む範囲や、取り扱う食品によって対応すべき内容は変わってきます。ぜひ事前に正しい知識を持って、万全な状態で取り組みをはじめましょう。
またここで紹介した内容は変更になることもありますので、最新の情報は各省庁の公式情報を参照してください。




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