新規でOEM・委託製造契約を結ぶ際の注意点を解説
Date: 2022.03.01
Date: 2022.03.01
企画・開発後、OEMに生産を委託することを考えている方は、ぜひ知っておきたいことがあります。それは、新規でOEM・委託製造契約を結ぶ際に確認しておくべき事項です。OEMには多様なメリットがある一方で、注意すべき事柄も多くあり、思わぬ落とし穴にはまってしまうこともあります。ぜひあらかじめ確認してから契約に臨むのをおすすめします。
食品製造においては、自社で工場を用意して製造する以外にも、OEMに製造を委託するという選択肢があります。製造能力がない場合に、OEMメーカーと契約することで、製造を委託することが可能です。
委託側にとってのOEMのメリットは、自ら新たに設備投資や技術開発をする必要がなく、コストを抑えながら自社ブランドの製品を製造できるという点があります。
すぐに食品を開発・製造・販売したいという場合に、スピーディーかつ効率的に取り組むことが可能です。
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いざ、OEMの委託製造契約を結ぶという場合に、知っておきたいことがあります。ここでは、とくに契約書の記載で注意したい事項について、それぞれご説明します。
・商標について
OEMメーカーには、自社ブランドの製品を製造してもらいますが、その際、自社の持つ商標に関して注意が必要です。契約書に自社の指示通りに商標を使用し、受託する側はこの契約以外の目的には商標を使用してはならないことが明記されているかを確認しましょう。
・所有権と危険負担について
OEMで製造された商品が、どのタイミングで「所有権」が委託側の自社に移動するかという取り決めが必要です。また「危険負担」についても重要です。危険負担とは、自社に納品される前に、商品が破損、変質したときに、自社と受託側のどちらが責任を負うかということです。これも明確になっているかも確認しましょう。
・知的財産権について
OEMに対して、自社が開発したレシピや設計図、製造仕様書等を提供することになりますが、それらは自社の知的財産に当たるため、受託側が勝手に他の製造に流用したり、その知的財産権の所有権を争うといったことができないように、帰属をしっかりと明記しておく必要があります。
・検査の基準について
製造後、その製品の仕様や品質が委託側の指定通りになっているか、両社間の取り決めルール通りになっているかの検査は欠かせません。その検査には基準が必要であるため、契約時に基準を明確にしておく必要があります。検査後、もし基準に達していなかった場合にどのような対応を受託側が行ってくれるのかという点もしっかりと話し合い、決めておく必要があります。
・瑕疵担保責任について
納品後に不具合品が発見された場合の扱いのことを「瑕疵(かし)担保責任」と呼びます。納品後一定の期間の経過後に、製品に欠点や傷等が発見された場合、その保証期間を明確に定めておく必要があります。例えば、1年で劣化する素材を使用している場合に、期間をどう定めるかといった細かい取り決めが重要になります。
先述のように、OEMを契約する際、しっかりと確認しておきたい事項があります。確認や取り決めが行われなければ、トラブルの素となり得ます。これらの注意点を踏まえて、OEMの委託製造で失敗しないポイントをご紹介します。
●事前にOEMに関する知識を持つ
OEMに委託する際には、ぜひ先述のような契約時における確認事項のほか、OEMへの委託全般に関する知識を持っておきましょう。そうすれば、OEMメーカーとの契約時や事前打ち合わせの際に、話がスムーズですし、重要な取り決めの際も、損を回避することができます。
●実績豊富な信頼のおけるメーカーを選ぶ
OEMには、自社ブランドの製品をおまかせするため、信頼関係が重要です。実績豊富で、信頼のおけるメーカーを選ぶようにしたいものです。
●自社が主導権を持つ
OEMは、基本的に自社が主導権を持って、製造工程のみを委託する手法です。そのため、製造工程を丸ごとおまかせするにしても、検査の基準や品質への要望・管理はしっかりと厳格に行いましょう。
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OEM契約時に関する注意点をご紹介してきました。OEMとこれから契約したいという場合には、必ず押さえておくべき内容といえます。今回ご紹介したOEM利用のメリットを享受し、失敗しないためにも、ぜひ事前に正しい知識を持って契約に臨んでください。
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