2024年食品トレンド・業界動向④ ウェルビーイング食
Date: 2024.10.01
Date: 2024.10.01
最近、食のトレンドの業界動向として注目されているものの一つがウェルビーイング食です。ウェルビーイング食と聞いて、想像がつかない方も多いのではないでしょうか。しかしすでに商品開発にウェルビーイングの考え方を盛り込んでいるメーカーがいくつか出てきていることから、今後当たり前の概念になる可能性もあるでしょう。
今回は2024年の食品トレンドや業界動向の一つとしてウェルビーイング食に迫ります。
まずはウェルビーイング食の定義とトレンドの背景を見ていきましょう。
●ウェルビーイング食とは?
ウェルビーイング食とは、ウェルビーイングを実現するための食事を指します。
ウェルビーイングとは、心と身体はもちろん、社会的にも良好な状態を表す状態です。新たな幸福の概念として、世界的に目指されています。おおむね、このウェルビーイングを保つための食事のことを、ウェルビーイング食と呼んでいます。
ただし、ウェルビーイング食には現状、厳密な定義がないため、さまざまな解釈があります。
ウェルビーイング食の例として、安全な食材を選択する、食材から育てる、自ら料理をする、塩分を控えるなどが挙げられます。従来のただの健康志向にとどまらない、「食事」そのものから得られるウェルビーイングな状態に力点が置かれています。
●ウェルビーイング食がトレンドになっている背景
なぜウェルビーイング食がトレンドになっているのでしょうか。
その背景として、世界的にウェルビーイングな状態が追求されている流れからくるものと考えられます。
その流れの中で、ウェルビーイングに関係するあらゆる分野が研究され、「食」はウェルビーイングに密接に関わっているものの一つであることが見出されています。
今後もウェルビーイングの研究が進むにつれて、食の重要性も高まってくるでしょう。
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ウェルビーイング食は、すでに日本では複数の食品メーカーによって開発されています。そのうち、3つの商品を具体例としてご紹介しましょう。
●ビール
あるビールメーカーは、ビール開発時にウェルビーイングをコンセプトに盛り込みました。心地よさや気持ちよさといった飲む人の気分や、飲むときの空間をイメージして開発。飲むことで心がほぐされ、幻想的なイメージすら思わせるパッケージデザインで表現されました。
従来のビールはどちらかといえば、キレや喉越しといった点が重要視されていましたが、このビールでは、ビールを飲んだときの幸せ感や心地よさが重要視されています。
●キャンディ
あるキャンディーメーカーは、個人がウェルビーイングを実現することをサポートするとの考え方のもと、商品を通じてウェルビーイングな状態をサポートするハーブキャンディーを開発しました。
腸活サポートと免疫ケアに役立つ機能性表示食品でありながら、なめることで日々の小さな幸せにつながるキャンディーとなっています。
●時間栄養学をもとに朝・昼・夜の時間帯に合わせたウェルビーイング食品
ある小売業の会社は、プライベートブランドとして、時間栄養学に基づいたウェルビーイング食品を開発しました。
ただ健康に良いのではなく、朝と昼と夜の時間帯に合わせて作られているのが特徴です。時間帯ごとに複数の商品から好きなものを選べるように、お茶やプロテインバー、ゼリー、チョコレートなどカテゴリーを横断した10種類以上の商品を展開しました。
これからOEMなどで食品を開発するときには、ウェルビーイングの視点を盛り込む、もしくはウェルビーイング食をコンセプトとした食品開発の機会も増えてくるでしょう。そこで、ウェルビーイング食をOEMで開発する際のポイントをご紹介します。
●身体と心へのアプローチを訴求する
ウェルビーイングは心身と社会的に満たされた状態を表すため、身体の健康だけでなく、心が満たされたり、社会的に充実するような食品を開発することになります。そのため、訴求方法も、一般的な健康志向の食品とは変わってきます。
特定の効果を謳うのではなく、心身ともに、全体に効いてくれるというコンセプトが求められるでしょう。
●安心安全な食材を使いストーリーを訴求する
安心安全な食材を用いて製造することは非常に重要であり、従来の健康志向の食品も同様でした。しかしウェルビーイング食品においては、単に健康を保つためでなく、その食材の入った背景にあるストーリーをコンセプトに盛り込むことで、利用者の心に響く商品となるでしょう。
●健康になるだけでなく生活がどう変わるのかをイメージさせる
ウェルビーイングな状態というのは必ず体の健康を伴うものですが、健康になるだけでなく、それによって生活がどのように変わるのかということをイメージさせることも重要です。商品のコンセプトに盛り込むほか、パッケージやキャッチコピーなど、販促活動にも効果的に盛り込んでいくことがポイントです。
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ウェルビーイング食は今後もさらに増えていくことをが考えられます。いち早く食品開発に取り入れることで、世界の食品トレンドに追随していくことができるでしょう。
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